現在読んでいる本、
「ベートーベンの鍵盤の宇宙」 仲道郁代著
というのが面白いです。
たまたま最近弾いていた、
テンペストソナタについて、
この曲とシェイクスピアの戯曲、テンペスト
の関連について書いてありました 。
結論を言えば、
ベートーベンのテンペストソナタと
シェイクスピアの戯曲のテンペストの
関係性は低いようですが、
シェイクスピアのテンペストの物語の内容が
ベートーベンのテンペストの曲想に
マッチしたことが
テンペストと呼ばれる要因となったようです。
シェイクスピアのテンペストに
描かれた魔法の島には
風によって鳴る楽器、
エオリアンハープが
置かれていて、
このミステリアスな音のイメージが
ベートーベンのテンペストソナタに
ぴったりマッチする、と。
エオリアンハープは
元々 、イギリスやドイツなどで
家や庭園、洞窟、そして別荘などにも
置かれていた楽器のことで
自然の風が吹く方向や強さなどによって
そのハープに張られた弦が鳴る、
という風によって鳴る弦楽器です。
名前は、ギリシア神話の風の神アイオロス
に由来しているといいます。
そういえば、
ショパンのエチュード作品25の1にも
エオリアンハープと呼ばれる
エチュードがあります。
この名前の由来は、
ショパンがシューマンに
このエチュードを弾いて聴かせた時に
エオリアンハープ のようだと
言ったのが始まりだそうです。
自然の風の強さ、 方向、勢いによって
振動する弦が異なり、
様々な音色が奏でられる…。
とても神秘的ですね!
その音を、一度聴いてみたいものです。