ー シューベルト ー【 大泉学園駅石神井台と富士見台駅上鷺宮の佐々木ピアノ教室】

シューベルトの即興曲作品90の1

を弾いていて、気づいたことがありました。


三連符で同音連打をする部分が 

同じくシューベルトが作曲した 

歌曲、魔王の伴奏の三連符に

とても似ているのです。


何か繋がりがあるのか 調べてみたくなり

歌曲 魔王を聴いてみたり、

調べてみました。


歌曲 魔王を作曲したのは

シューベルトがわずか18歳の時。


一方 、即興曲作品90の1を作曲したのは

晩年の30歳の時。



この二つの時期で、

シューベルトの置かれていた状況や、心理状態は全く別のものだったとしても 

この二つの曲に内在するものは 

共通するものがあるように思います。


歌曲 魔王はその歌詞の中で 

語り手、 息子、 父、 魔王

の4者が登場し、

父が 幼い息子を 馬を疾走させながら

宿舎へ連れて行く途中で 

最後は息子が魔王に

魂を抜き取られてしまうという物語。


伴奏の三連符の同音連打は 

疾走する馬の蹄の音 

を表現していると言われています。



そして即興曲 作品90の1の

三連符の同音連打は

必ず属音で登場し、 

定められた宿命のようなものを

感じさせます。


この曲は前述したように、

シューベルトの晩年に

作曲されていることから 

彼はもうこの頃、

自分の人生の終わりを

予感していたのでしょうか。


この2曲の中の三連符、同音連打は 

そういったものに対する

恐怖、予感、不安を煽るもの 

として存在している気がします。