大好きな作曲家、 ブラームスの
「シューマンの主題による変奏曲 op.9」
の譜読みをしています。
この曲は 、 ブラームスの作曲家としての成功を後押ししてくれた、 シューマンの「ブンテ ブレッター 作品99」の主題を使って作曲されています。
シューマンの妻であったクララも、 シューマンのこの曲の主題を使って曲を作っています。
ブラームスのシューマンの主題による変奏曲は
、 当時ライン川への投身によって、 精神病院に収容されていたシューマンと、その妻クララ への慰めとして、 また作曲家シューマンへの敬意を兼ねて、 この曲を書いたとされています。
ブラームスとシューマンは同じ作曲家として互いに尊敬しあい、 またヴィルトーゾピアニストとして大活躍していたクララを、 ブラームスは大変敬愛していました。
この3人の人間関係については、 彼らのやり取りしていた書簡が本になるほど有名ですが、 このシューマンの主題による変奏曲は、まさにこの三人の微妙な三角関係を如実に表しているようで、 ブラームスの心の葛藤が滲み出ている ように感じます。
この曲の中で、ブラームスはクララの作曲した作品3の主題も使い、 シューマンの主題による変奏曲は、 最終的にクララに捧げられました。
何とも意味深な曲で、 ブラームスの心の内を探るのが楽しみな曲です。